専門店だけでなく、雑貨屋さんやインテリアショップなど、いろいろな場所でエッセンシャルオイル(精油)を見かけるようになりました。

0001_2xlarge

いろいろな場所で手軽に購入できるのは消費者にとってありがたいことではありますが、なかには「これ、本当にエッセンシャルオイル(精油)なの?」というものも。

今回は、アロマテラピーに使うための精油を購入するときにチェックしたいポイントをご紹介します。

 

アロマテラピーで使うエッセンシャルオイル(精油)って?

「植物から抽出された香り物質が集まったもので、何かを抜いたり、何かを加えたりということをしていない、100%天然のもの」

通常、エッセンシャルオイル、または精油などと呼ばれます。

※当サイトではわかりやすくお伝えするために、アロマオイル(精油)と表現することもあります。

 

ただ、現状では「精油とはこういうものです」という、法律による規定はありません。
そのため、香りがするものであればなんでも「アロマ」と表現されてしまうという側面があります。

 

アロマテラピーを実践するときには、

植物から抽出された、100%天然のエッセンシャルオイル(精油)を使ってくださいね。

 

ラベルやパッケージで確認したいこと

アロマテラピーを実践するには、安全で、目的に合ったエッセンシャルオイル(精油)を選ぶことが大事。
実は、商品のラベルやパッケージからいろいろな情報を得ることができるんですよ。

 

1.植物名と学名

植物の種類によって、抽出されるエッセンシャルオイル(精油)の内容(香りや成分)が違います。

どの植物から抽出されたものなのかわからないと困りますよね。
ラベルやパッケージで必ず植物名を確認しましょう。

さらに、材料となる植物の学名が記載されていることも大事です。

 

たとえば、「ラベンダー」という精油にはたくさんの種類があることを知っていますか?

ラベンダー・アングスティフォリア、ラベンダー・スピカ、ラベンダー・ストエカス・・・。
同じラベンダーという名前がついていますが、全て異なる植物です。

異なる植物ということは、抽出されるエッセンシャルオイル(精油)の内容も違うということ。

エッセンシャルオイル(精油)の内容が違うということは、どんなときに使うのがお勧めなのか、注意しないといけないことがあるかないかなども変わってきます

左からラベンダー・スピカ、ラベンダー・アングスティフォリア、ラベンダー・ストエカス

左からラベンダー・スピカ、ラベンダー・アングスティフォリア、ラベンダー・ストエカス

ストレスケアで有名なラベンダー・アングスティフォリアの学名は「Lavandula angustifolia

火傷のケアや風邪予防におすすめなラベンダー・スピカの学名は「Lavandula spica

ケトン類という神経毒性がある成分を多く含むラベンダー・ストエカスの学名は「Lavandula stoechas

学名がしっかり記載されていると、どのタイプのラベンダーなのかがわかります。

 

2.抽出方法

エッセンシャルオイル(精油)を植物から抽出する方法は大きく分けて3つ。

◯水蒸気蒸留法
◯圧搾法
◯溶剤抽出法

多くのエッセンシャルオイル(精油)は水蒸気蒸留法で抽出されますが、レモンやグレープフルーツなど、柑橘系果皮のエッセンシャルオイル(精油)は圧搾法で抽出されますし、ジャスミンやローズなど、一部のエッセンシャルオイル(精油)は溶剤抽出法で抽出されます。

なかでも、溶剤抽出法で抽出されたエッセンシャルオイル(精油)の場合、溶剤が残っている可能性がゼロではありません。

もちろん、健康に問題が出るようなレベルではありませんが、お肌に塗るという使い方は、基本、避けるのがお勧めです。

また、同じ植物でも抽出方法が違うと、抽出されるエッセンシャルオイル(精油)の内容(成分・香り)が違いますので、やはり「どんな方法で抽出したのか」ということも大事なポイントになってきます。

phonto (5)

 

3.抽出部位

エッセンシャルオイル(精油)は植物のいろいろな場所に保管されています。

保管場所となるのは、「葉」「果皮」「花」「根」「種子」「幹(木部)」など植物によって様々。

ローズなら花、ティートゥリーなら葉、レモンは果皮など。
大抵の場合、ひとつの植物について抽出部位は1か所ですが、なかには複数の場所からエッセンシャルオイル(精油)を提供してくれる気前のいい植物も。

 

Citrus aurantium ssp.amaraという学名のこの植物は、

◯花から抽出したエッセンシャルオイル(精油)はネロリ
◯葉から抽出したエッセンシャルオイル(精油)はプチグレン
◯果皮から抽出したエッセンシャルオイル(精油)はオレンジ・ビター

なんと、3ケ所からもエッセンシャルオイル(精油)を提供してくれます。

 

学名が同じであれば同一の植物ですが、ネロリはモノテルペンアルコール類のリナロールがメインだけど、プチグレンはエステル類の酢酸リナリルが一番多くて、オレンジ・ビターはモノテルペン炭化水素類のdーリモネンが多いというように、

抽出部位が違うと、エッセンシャルオイル(精油)の内容(成分や香り)が違ってきますので、やはり抽出部位の確認も重要になるのです。

 

おわりに

リラックスのためにアロマを使いたい。
風邪予防にアロマを使いたい。

アロマテラピーを実践する場合、その目的に合う作用が期待できるエッセンシャルオイル(精油)を選ぶ必要があって、目的に合うかどうかは、そのエッセンシャルオイル(精油)の内容(成分や香り)に左右されます

 

ご紹介してきたとおり、

◯原材料となる植物の種類
◯抽出の仕方
◯抽出部位

これらはエッセンシャルオイル(精油)の内容に大きく影響しますので、アロマテラピーを実践するときに使うエッセンシャルオイル(精油)は、こういった情報がわかるものを使うようにしてくださいね。