12月に入って一段と寒くなってきました。
寒くなると、いつもはシャワーだけで済ませることが多い方も、ゆっくりとお風呂に入る機会が増えるのではないでしょうか?
温かいお風呂に入るだけでもリラックス効果がありますが、そこに精油の香りがあったら…さらにリラックスできますよね。
お風呂にアロマを取り入れる【アロマバス】は、初心者さんでも手軽にできるアロマの使い方として人気ですが、実は意外と危ない使い方をしている方が多いって知っていますか?
「お風呂にそのまま」も「塩に混ぜて」も危険です
「浴槽にアロマオイル(精油)を1~3滴ほど落としてよくかき混ぜてから入りましょう。」
このように書かれている本が多いのですが、実はこれ、ちょっとアブナイのです。
アロマオイル(精油)は、水(もちろんお湯も)に溶けにくいという性質があります。
つまり、浴槽にアロマオイル(精油)をそのまま入れても溶けずに浮いてしまうということ。
アロマオイル(精油)が溶けずに浮いてしまっている状態の浴槽に入ると、アロマオイル(精油)の原液がお肌に触れてしまうことになります。
アロマオイル(精油)は天然物質だから安全と思われがちですが、原液のままではお肌にとって刺激が強いもの。
原液がお肌に触れると…
●赤くなる
●ピリピリする
●かゆくなる
●かゆくなる
●かぶれる
こんなトラブルになってしまうことがあります。
もうひとつ、本によく書かれているのが、「アロマオイル(精油)を天然塩に混ぜてからお風呂に入れる」というものですが、残念ながら塩は乳化剤にはなりません。
やはり、アロマオイル(精油)がお湯に溶けずに浮いてきてしまい、これも結局、アロマオイル(精油)の原液がお肌に触れてしまうことになるんです。
日本でのこういった使い方に対して、『精油の安全性ガイド(フレグランスジャーナル社)』の著者で、アロマテラピーを多方面から研究する国際的な研究家、ロバート・ティスランド氏は、今年(2019年)3月の来日講演でその危険性を示しました。
特に気をつけたいアロマオイル(精油)たち
アロマオイル(精油)は、基本的に水に溶けない・溶けにくいという性質があります。
そのなかでも、特に水に溶けない・溶けにくいアロマオイル(精油)たちがこちら。
●オレンジ、レモン、グレープフルーツなど柑橘果皮のアロマオイル(精油)
●サイプレス、ジュニパー、シダーウッド、スギなど樹木系のアロマオイル(精油)
そして、お肌への刺激の強さにも差があって、特に皮膚刺激が強いとされるアロマオイル(精油)たちがこちらです。
●シナモン、クローブ、タイムなどスパイス系のアロマオイル(精油)
これらのアロマオイル(精油)をアロマバスに使うときには、特に注意が必要になります。
柑橘果皮や樹木系がアブナイって…ちょっと意外に感じられる方もいらっしゃるかもしれませんね。
アロマバスでお肌トラブルを起こさないためにはどうしたらいい?
なんだかアロマバスって難しいんだな…そんなふうに思われた方もいらっしゃるかもしれませんが大丈夫!ちょっとした工夫をしていただくだけで、安全にアロマバスを楽しんでいただくことができます。
どんな工夫をすればいいか、ご紹介しますね。
1.乳化剤を使う
乳化剤には、そもそも水と油のように本来なら混ざらないもの同士を、均一の状態に混合させる働きがあります。
お風呂のお湯とアロマオイル(精油)という、本来なら混ざらないもの同士を、乳化剤のチカラを借りて混ざるようにします。
おすすめなのは、KENSOバスオイル。こちらは香りがついていないタイプなので、お手持ちのアロマオイル(精油)を混ぜて使うことができます。
2.キャリアオイル(植物油)を使う
ホホバオイルやスイートアーモンドオイルなどのキャリアオイル(植物油)に精油を混ぜてから浴槽に入れるという方法です。
この場合、アロマオイル(精油)がお湯に溶けるわけではありませんが、キャリアオイル(植物油)で薄めてあることで、お肌への刺激が格段に少なくなります。
普段あまりキャリアオイル(植物油)を使わないという初心者の方でしたら、酸化しにくいホホバオイルがおすすめです。
そうそう、さきほど天然塩は乳化剤にならないので危ないですよといいましたが、実は、アロマテラピーの勉強をはじめたころに、グレープフルーツ精油(柑橘果皮!)とサイプレス精油(樹木系!!)を天然塩に混ぜたものをお風呂に入れて使ったところ、膝の裏がピリピリしてしまって大変なことになってしまったという経験があります。
アロマバスソルトを楽しみたいときには、アロマオイル(精油)に乳化剤やキャリアオイル(植物油)を加えたものと、天然塩を混ぜるようにするといいですよ。
3.アロマオイル(精油)を浴槽に入れない
アロマバスの一番の効果は、アロマオイル(精油)の香りによる嗅覚への作用です。つまり、香りを感じられるのであれば、ムリに浴槽に入れなくてもいいと考えることもできます。
乳化剤やキャリアオイル(植物油)を使ったからといって、絶対にトラブルにならないということではありませんので、特にお肌が弱い方などは、浴槽にアロマオイル(精油)を入れないという方法も選択肢のひとつとなります。
洗面器などにお湯を張って、そこにアロマオイル(精油)を数滴垂らします。これだけで、浴室の中に香りが広がりますので、充分に嗅覚を刺激することができますよ。
アロマオイル(精油)を垂らした洗面器のお湯は、体にかけたりせずに流してくださいね。
いかがでしたか?
アロマ初心者さんでも簡単に始められるアロマバスですが、実はピリピリしてしまったことがある…という方が少なくないんです。
ご紹介した材料などを上手に取り入れて、ココロもカラダもほっこり温まるアロマバスを安全に楽しんでくださいね。
アロマオイル(精油)の安全な使い方を学びたいなら